2007年4月29日(日)「しんぶん赤旗」

能登半島地震

ひと安心 でも家は

輪島で仮設入居始まる


 震度6強の激しい地震に見舞われた能登半島地震から一カ月余りが過ぎた二十八日、石川県輪島市で仮設住宅への入居がはじまりました。長らく不自由な避難所暮らしをしてきた住民から、「これでひと安心」という声と同時に、「喜んでいられない。家を建てる見通しがたたない」と将来不安も聞かれました。

 仮設住宅への入居があったのは被害がもっとも大きかった輪島市の宅田町の二十戸、舘地区(旧門前町)の三十戸。

 舘地区では住民説明会が開かれ、家が全・半壊した約五十人の住民が参加。石川県や輪島市の職員が、建物の間取りや設備の使い方、電気・ガス・上下水道料金についての説明を受け、契約書と引き換えに玄関のカギが渡されました。

 大阪からかけつけていた息子夫婦に付き添われた老夫婦は、「やっと入れるようになって、ほっとしました。しかし、喜んでいられません。家は全壊し、再建のメドもたっていないし…」と語りました。

 「ありがたいと思います。ほんとは二年間の期限といわず、三年でも四年でも入れるようにしてほしい」と入居延長を望む男性(78)も。

 現在の避難者数(二十七日現在)は、輪島市六カ所で百八十九人、志賀町一カ所で十一人、穴水町三カ所で四十七人、合計十カ所に二百四十七人となっています。

 仮設住宅は輪島市で二百五十戸、七尾市で二十戸、穴水町で四十五戸、志賀町で十九戸、合計三百三十四戸建設する計画で、五月中旬までに順次入居します。



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