2007年5月1日(火)「しんぶん赤旗」

「9条ネット」とは どんな団体ですか?


 〈問い〉 参院選にむけて「9条ネット」という団体が動いています。どんな団体なのですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 「9条ネット」とは、ことし2月に「憲法擁護」を看板にして、参院選にむけて立ち上げられた政治団体です。しかし、その実態は新社会党委員長らを国会に送ろうという運動団体です。第一次公認予定候補は、栗原君子新社会党委員長や新社会党九州ブロック協議会政策委員長の経歴をもつ人など三人です。

 日本共産党は、昨年5月20日付「しんぶん赤旗」に「参院選での『平和共同候補』を求める運動について」という論文を掲載しました。そこでは「市民運動」を名乗るこの運動が、新社会党の応援団ではないのかということを率直に指摘しました。また、日本国憲法を守るということを強調しながら、そのために必要な憲法擁護のたたかいの輪を広げることではなく、問題を国政選挙の「選挙共闘」に矮小化(わいしょうか)し、「市民運動」にあるまじき策略的な手口をろうしていることなどを批判しました。

 「9条ネット」は、この「市民運動」の流れを受け継ぐものですが、どちらも新社会党の「別働隊」のようなものです。それは、新社会党委員長が候補者であることとともに、新社会党の機関紙『週刊 新社会』をみれば一目瞭然(りょうぜん)です。昨年3月以来の『週刊 新社会』は、新社会党の選挙方針とともに、それと符節をあわせた「市民運動」の方針やとりくみを系統的に詳しく掲載しています。ことし2月24日に発足総会をもった「9条ネット」についても、それに先立つ2月4日の新社会党第18回中央委員会で早々と「『9条ネット』の一翼を担って参院選を闘うことを確認」しています(同紙2月13日付)。同紙3月6日付は、一面トップで「9条ネット」の発足を報道し、「第一次公認予定候補」の「たたかう決意」を掲載しています。

 「9条ネット」と新社会党は、先の東京都知事選で浅野史郎氏を支援しました。浅野氏は、改憲勢力である民主党が支援した候補者であり、マニフェストにも「憲法」の言葉がなかったことは周知のことです。

 新社会党は、「部落解放同盟」(「解同」)と密接な関係があります。新社会党委員長の栗原氏は、「解同」と一体の新社会党広島県本部委員長です。広島は、その害悪が最も深く現れている地域で、新社会党と「解同」との関係も特別に重い関係にあるところです。また、新社会党前委員長の小森龍邦氏も「解同」の元書記長でした。新社会党の基本方針にも、部落解放基本法の制定や解放教育・人権教育の推進など「解同」路線が色濃く持ち込まれています。「解同」は、“部落民以外はすべて差別者”という間違った立場から、不法な「確認・糾弾」路線をとり、日本の民主主義にとって決定的な害悪を流してきました。(太)〔2007・5・1(火)〕


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