2007年5月2日(水)「しんぶん赤旗」

第78回中央メーデー

志位委員長のあいさつ


 一日、東京・代々木公園で開かれた第七十八回中央メーデーで、日本共産党の志位和夫委員長がおこなった連帯あいさつは次の通りです。


写真

(写真)連帯あいさつをのべる志位和夫委員長

 第七十八回中央メーデーにお集まりの仲間のみなさん、おはようございます。私は、日本共産党を代表して、みなさんに心からの熱い連帯のあいさつを送るものであります。(指笛、拍手)

いっせい地方選挙の結果
――参院選前進の条件と可能性を開いた

 私たちは、「自治体に“福祉の心”をとりもどそう」を合言葉に、多くの人々とともに、いっせい地方選挙をたたかいました。選挙戦をつうじて、今後につながる二つの重要な成果を得たことを、私はみなさんにご報告したいと思います。

 一つは、日本共産党の善戦・健闘です。私たちは、前半戦の道府県議選で八議席を減らしましたが、政令市議選では一議席を増やし、後半戦の市区町村議選では議席占有率を1・8ポイント伸ばし、重要な前進をかちとることができました。

 いま一つは、多くの無党派の方々と日本共産党が共同でたたかった十三の知事選挙のうち、東京など九つの知事選挙で得票を大幅に伸ばし、うち五つの知事選挙では前回選挙の三倍前後の得票を得たことです。東京都知事選で、吉田万三さんが論戦をリードするなかで、石原知事が「中学校三年生までの医療費無料化」を公約するなど、選挙戦をつうじて都政を前向きに動かしたことは、大きな成果といっていいのではないでしょうか。(拍手)

 日本共産党は、これらの成果を土台にして、参議院選挙で必ず前進をかちとるために力をつくすことを、まず表明するものです。(拍手)

貧困と格差の拡大にたいして社会的反撃が開始されている

 みなさん、昨年のメーデーから一年。安倍・自公政権が、暮らしを壊し、平和を壊す暴走を続けるもとで、「社会的連帯で反撃を」を合言葉に、どの分野でも国民の運動が、新たな前進を開始しつつある――ここにこの一年の特徴があるのではないでしょうか。

 暮らしの分野では、貧困と格差を拡大する財界・大企業の横暴、それを応援する政治にたいして、社会的反撃が開始されています。

 「偽装請負」をやめさせ直接雇用をかちとった光洋シーリングや日亜化学の労働者のたたかい、残業代一万人分を支払わせた「すき家」の青年労働者のたたかいなど、非正規雇用労働者がみずから労働組合をつくり、職場の無法を一掃するたたかいに立ちあがっています。とくに若者がこのたたかいの先頭にたっていることは、労働者のたたかいに大きな未来があることを示すものではないでしょうか。(拍手)

 パート労働者の時給引き上げでも、全労連に参加する金属、印刷、医療、民放などの労働組合が、企業内最低賃金で「時給千円」以上を実現し、連合も「時給千円」を掲げるなかで、全国的に「時給千円」の流れがつくられてきています。最低賃金を「時給千円」を目標に抜本的に引き上げ、全国一律の制度とするために、さらにたたかいを前進させようではありませんか。(「よーし」の声、拍手)

九条改悪反対が多数派に
――草の根の運動が世論を動かしている

 平和の分野では、安倍内閣が憲法改悪への暴走をはじめるもとで、新たな矛盾が広がり、たたかいを前進させる新たな条件が広がっています。

 とりわけ、安倍首相が、「従軍慰安婦」問題で歴史を歪(ゆが)める発言をおこなったことに象徴されるように、過去の侵略戦争と軍国主義を美化する勢力――「靖国」派が改憲派の中心にすわったことは、内外に深刻な矛盾を広げています。

 過去の戦争に無反省の勢力が、憲法を変えて、武力で海外に打って出る――こんな恐ろしいことはありません。安倍首相がすすめているのは、「美しい国」などではありません。軍事国家、強権国家づくり――「恐ろしい国」づくりにほかなりません(拍手)。みなさん、この歴史逆行の動きを、平和と民主主義を守る国民の連帯の力で打ち破ろうではありませんか。(「よーし」の声、大きな拍手)

 「読売」の世論調査では、「九条改定に反対」の声が、二年連続増え、56%と過半数を超えました。世論を動かしているのは、「九条の会」の発展に示されているように、草の根からの国民の運動です。これをさらに発展させ、憲法改悪反対の揺るぎない国民的多数派を築こうではありませんか。(拍手)

 第七十八回メーデー万歳。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)


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