2007年5月2日(水)「しんぶん赤旗」

世界平和の方策の基本 どう考える?


 〈問い〉 戦争がいまだに地球上からなくなりません。日本共産党は、世界平和のための方策の基本をどう考えていますか?(北九州市・一読者)

 〈答え〉 国際連合憲章は前文で、「われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救」うために、「寛容を実行し、かつ善良な隣人として互いに平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則」とするとうたいました。日本国憲法は、この精神をさらに徹底し、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し」(憲法前文)、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」(憲法第9条)と明記しました。

 国際連合の設立によって、戦争の違法化が世界史の発展方向として明確にされ、戦争を未然に防止する平和の国際秩序の建設が世界的な目標として提起されたのです。日本共産党は、この国連憲章と憲法を基本に、平和の国際秩序を確立することをめざしています。

 いまは、平和の世界秩序をつくる大きな変化が進んでいます。

 第二次世界大戦後、国連がつくられた直後には平和をまもる国際組織が誕生したということで、これを本物にしようという世界的な世論が高まりました。しかし、この期待は「米ソ対決」でしぼみました。国連は、ベトナム戦争ではアメリカが始めた戦争ということで、安全保障理事会は議題として取り上げることもしませんでした。アフガニスタン戦争のときはソ連が始めた戦争ですから、やはり取り上げられませんでした。明白な侵略戦争にたいして、肝心の国連は「米ソ対決」にしばられてなんの行動もとれなかったのです。

 ソ連の崩壊後、状況は大きく変わりました。アメリカがイラク戦争を始めるときには、国連で大議論が交わされ、アメリカはお墨付きを手に入れることができませんでした。国連の大きな変化が示されました。

 いまは、大戦直後とは違った新しい基盤で、国連憲章が定めた平和秩序をいかにしてまもるか、一国の勝手な行動を許さない世界をいかにしてつくりあげるかが、世界の大問題となり、多くの国際会議で活発に議論されています。

 日本共産党は、この世界の流れを加速させるため、▽いかなる覇権主義にも反対し、平和の国際秩序を守る▽核兵器の廃絶をめざす▽軍事ブロックに反対する▽諸民族の自決権を徹底して尊重しその侵害を許さない▽各国の経済主権の尊重のうえに立った民主的な国際経済秩序を確立する―などを重視しています。こうした日本共産党の世界情勢の見方や平和をめざす方針の基本は、「日本共産党綱領」に簡潔に明記されています。(喜)

〔2007・5・2(水)〕


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