2007年5月3日(木)「しんぶん赤旗」
憲法に対する国民の意識が変わってきている?
〈問い〉 憲法に対する国民の意識が変わってきていると聞きましたが、どのように変化しているのですか。(京都・一読者)
〈答え〉 憲法に関する世論調査で、平和への意識が世代を超えて広がってきているのが、今年の調査の特徴となっています。
読売新聞の憲法に関する全国世論調査(3月17、18日実施)では、「改正派」が3年連続で減少し、「改正しない方がよい」は、昨年と比べると7ポイント増え、3年連続で増加しています。
共同通信社の全国電話世論調査(4月14、15日実施)では、昨年の同調査比で改正賛成派が減り、反対派が約5ポイント増えています。静岡新聞(1月4日付の県民世論調査)などでも、同様の傾向を示しています。
9条については、「読売」調査で、「守る」「解釈や運用」が6割近くとなり、「共同通信」調査では、「改正する必要があるとは思わない」が44・5%で、「改正する必要がある」の26・0%を大きく上回っています。
NHKの世論調査(4月6、7、8日実施)でも「改正する必要があると思う」が25%、「改正する必要がない」が44%となり、「必要がない」は1年前より5ポイント高くなっています。
また、60年間の憲法の役割について「読売」調査では、「評価している」は「大いに」「多少」をあわせ、85%にのぼっています。とくに「大いに評価する」が10年前に比べて、2倍以上になっています。
こうした変化の背景に、安倍首相が任期中に憲法を変えると公言し、改憲手続き法案を今国会で強行に成立させようとしていること、とくにその推進勢力が、過去の侵略戦争を反省せず、正当化している「靖国」派で固められ、憲法9条を変えて、海外で戦争する国にしようとしていることに、国民が警戒心を高めているからです。
一方で、04年6月に発足した「九条の会」が、6000を超える草の根の「会」が結成され、憲法守れの運動がかつてない規模で展開され、世論を大きく動かしてきていることが、調査結果に反映してきています。
「憲法改悪反対」の一点での国民的多数派を結集する運動を強めてきたことに大きな確信をもって、さらに国民的広がりをつくることが求められます。(竹)
〔2007・5・3(木)〕