2007年5月6日(日)「しんぶん赤旗」

核廃絶に向け行動を

原水協代表団ら 6カ国政府代表に要請

NPT会議


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(写真)南アフリカのミンティ大統領代理(左)と懇談する原水協と被団協の代表=4日、ウィーン(中村美弥子撮影)

 【ウィーン=中村美弥子】ウィーンで開催中の二〇一〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第一回準備委員会に、非政府組織(NGO)の一員として参加している原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の代表団と日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中煕巳事務局長は四日までに、六カ国の政府代表と面会。速やかな核兵器廃絶のために行動を起こすよう要請しました。

 要請で、田中氏は、「最も非人間的な兵器の核兵器を一日も早く廃絶してほしい」と訴えました。原水協の土田弥生事務局次長は、核兵器廃絶には核保有国がまず行動することが大事だと強調。核保有国に核廃絶の「明確な約束」を果たさせるために協力を求めました。

 マレーシアのハミドン・アリ国連大使は、NPTの核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用の三目標を挙げ、「核兵器の完全廃絶が最も重要な目標だ」と明言。軍縮義務を履行せずに拡散のみに焦点を当てる核保有国の態度は問題だと批判しました。マレーシアで原爆展や映画上映会を開き、核兵器について人々の意識を高めたいと語りました。

 南アフリカのアブドゥル・ミンティ大統領代理は、日本が非核三原則をもちながら米国の核の傘に入っていることについて、「核兵器を製造しなくても、貯蔵していることは核拡散の問題につながるものだ」と指摘。日本原水協代表団に情報提供を要請しました。

 原水協と被団協の代表団は中国と英国の核保有国に対し、いまNPTが直面している困難は核保有国に原因があると強調。核問題をめぐる二重基準を放棄して速やかに軍縮へと踏み出すように求めました。

 代表団は、日本外務省の芹沢清軍備管理軍縮課長と懇談し、唯一の被爆国として、日本は明確な態度で核保有国に核廃絶を迫るべきだと要求しました。さらに、米国の核の傘に入っていることが、他国から核の拡散だとみられていると指摘し、それから抜け出すよう訴えました。

 原水協と被団協の代表団はそのほか、スウェーデンの政府代表と面会しました。



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