2007年5月8日(火)「しんぶん赤旗」
「君が代」指導も要求
教育三法案で文科相答弁
石井議員批判
|
伊吹文明文部科学相は、七日の衆院教育再生特別委員会で「国旗掲揚、国歌斉唱がいっさい行われない学校は、学習指導要領違反だから、『是正の要求』をしないといけない」と述べ、教育三法案の一つ地方教育行政法改定案で新設される文科相による「是正の要求」について、「日の丸・君が代」にも適用する考えを示しました。日本共産党の石井郁子議員への答弁。
石井氏は、教育再生会議(四月二十三日)に文科省が提出した資料を示し、そこで教育委員会が「日の丸・君が代」を指導しない場合、文科相が「是正の要求」を行うとしていることについてただしました。
文科省の資料「教育三法案の持つ意義」では、地方教育行政法改定の理由について、「教育委員会が…、国旗・国歌を指導しないなど著しく不適切な対応をとっている場合には、文部科学大臣が具体的な措置の内容を示し、『是正の要求』ができるよう法律上明記します」と書いています。
これまで政府は、同法案で文科相の権限を強化する理由として、教委によるいじめ隠蔽(いんぺい)や未履修問題をあげていました。しかし、文科省資料は、同法案が「日の丸・君が代」強制に使われることを浮き彫りにするものです。
伊吹文科相は「学習指導要領に反する事態を黙認する教育委員会は、子どもの学ぶ権利を侵害している」などと答弁しました。
石井氏は「内心の自由が侵害される重大問題だ。国が決めたことに、学校や教育委員会が言いなりになる仕組みがつくられる。法案は廃案しかない」と批判しました。
■関連キーワード