2007年5月13日(日)「しんぶん赤旗」

ブラウン英次期首相候補

イラク政策 誤り犯した


 【ロンドン=岡崎衆史】六月末に辞任するブレア英首相の最有力後継者であるブラウン財務相(56)は十一日、ロンドン市内での労働党党首選への出馬表明で、ブレア政権下でのイラク政策で「誤りが犯されてきたことを受け入れる」と述べました。ブレア英首相も十日の辞任表明演説で、「私は国のために正しいと思ったことをした」としてイラク戦争を正当化する一方、「もしかしたら間違っていたかもしれない」とも語っています。

 ブレア首相は国民の圧倒的反対を押し切り英軍のイラク参戦を決定。ブラウン財務相は有力閣僚として、そのイラク政策を支えてきました。ブレア首相は十一日、ブラウン氏を後継首相として支持しました。

 ブラウン氏はイラク復興のため政治的和解と経済開発に「より焦点を当てなければならない」と強調。英国のイラク政策が現在の軍事重視から、非軍事的な復興支援に重点を移す可能性を示唆しました。英政府は二月、イラク駐留英軍を七千百人から秋までに五千人未満にする計画を発表しています。ブラウン氏が、これを早める可能性も指摘されています。

 同財務相は、数週間以内にイラクを含む中東を訪問し、イラク駐留英軍部隊や地域の指導者と協議する意向も表明。「過去数年の出来事から教訓を学び、確実な安定を達成する最良の方策に焦点を当てる」と述べ、イラク政策の詳細を中東諸国での協議で詰める意向を示しました。

 同氏はまた、「政府は議会に対してより開かれた存在となり、説明責任を果たさなければならない」「私は(人々の)話を聞き、学ぶ」と述べ、イラク参戦をはじめとしたブレア政権の強引な政治手法が国民や議会の反発を招いたことに配慮し、国民の声に耳を傾ける姿勢を強調しました。



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