2007年5月15日(火)「しんぶん赤旗」
イラクの空自
大規模戦闘への支援
赤嶺議員 派兵中止を要求
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日本共産党の赤嶺政賢議員は十四日の衆院イラク特別委員会で、米軍がイラクで展開している大規模戦闘の実態を示し、「(イラクでの)自衛隊の活動は『人道復興支援』どころか、まさに米軍の戦争支援だ」と告発しました。
赤嶺氏は、この間の政府の答弁で、航空自衛隊の空輸活動のうち、米軍支援が約九割に達していることが明らかになったと追及。安倍晋三首相は「安全を確保することで、人道支援が円滑に行われる。支援の中身が変わっていくことは当然ありうる」と述べ、米軍支援が中心という実態を認めました。
赤嶺氏は、ブッシュ米大統領が発表した増派部隊約二万九千人のうち、政府が人道復興支援だという「地方復興チーム」は、わずか百二十九人であり、ほとんどが戦闘部隊だと指摘。さらに米軍は、ホームページ掲載の「航空作戦の概要」で、B1爆撃機やF16戦闘機による爆撃を含む航空作戦を、連日四十―五十回も展開している事実も示しました。
この追及に久間章生防衛相も「(増派部隊が)治安維持が主たる内容になっているのは間違いない」と認めました。
赤嶺氏は、開戦以降のイラク人死者数が、イラク保健省の発表でも約十五万人に達することもあげ、「イラクの復興に逆行する自衛隊の派兵は、ただちに中止すべきだ」と求めました。
泥沼イラク 打開簡単でない
米軍増派で麻生外相
日本政府が支持を表明したブッシュ米政権によるイラク増派方針について麻生太郎外相は、十四日の衆院イラク特別委員会で「(泥沼のイラク情勢を改善できる)見通しは、そんな簡単にはいかない」と答弁し、情勢打開の見通しもないまま、支持表明したことが明らかになりました。日本共産党の赤嶺政賢議員の追及への答弁。
また麻生外相は「(増派によって)ただちに結果が得られるのか、判断できるものを持っていない」とも答弁しました。
ブッシュ米政権は今年一月、「イラク新政策」を発表し、米軍部隊二万人以上の増派によって、事態を軍事的に打開する方針を打ち出しました。このなかでブッシュ大統領は、これまでの失敗の原因として「イラクと米国の十分な兵力がなかった」ことを挙げ、増派方針を合理化しています。
赤嶺氏が「この認識に日本政府も同意するのか」とただしたのに対し、塩崎恭久官房長官は「それは米国の判断だ」と述べ、日本政府の立場を示せませんでした。
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