2007年5月16日(水)「しんぶん赤旗」
子どもの人権侵害招く
仁比議員追及 少年法「改正根拠なし」
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十五日の参院法務委員会で少年法改悪案の実質審議が始まり、日本共産党の仁比聡平議員が質問に立ち、同法案は「えん罪などを引き起こし、子どもの人権に重大な危険をおよぼすものだ」と厳しく追及しました。
仁比氏は、同法案が十四歳未満の子どもに対して警察の調査権限を認め、少年院送致の下限年齢を十四歳以上から「おおむね十二歳以上」に引き下げようとしている理由について質問しました。
「十四歳未満の低年齢の子どもの特性と非行との関係、彼らを家族や学校、社会から隔絶して、身柄拘束することについての影響を科学的に検討したことがあるのか」と質問。法務省側は「疑似家族的な環境のなかでの指導体制を検討している」とのべるにとどまり、検討は行っていないことがわかりました。
仁比氏は、少年院送致の下限年齢を「十四歳以上」に定めているのは理由があり、戦後長きにわたって合理的なものとして継続してきたと強調。「変える根拠がないのであれば、一体なぜ変えるのか。これまでの少年法の根幹にかかわる重大問題だ」と批判しました。
十四歳未満の子どもを警察が調査する際に、権利保障が認められていないことは「憲法に反する」とただし、「権利侵害、人権侵害、えん罪を招くものだ」と批判しました。