2007年5月16日(水)「しんぶん赤旗」
改善策「考えたい」
タクシー労働条件 国交相が答弁
穀田議員に
タクシー規制緩和で競争が激化し、労働者の労働条件悪化や安全低下が起こっている問題で、冬柴鉄三国交相は「(どう改善すべきか)よく考えたい」と今後検討する考えを表明しました。九日の衆院国土交通委員会で日本共産党の穀田恵二議員の質問に答えたもの。
穀田氏は、交通政策審議会報告書が歩合制賃金のもとで事業者が安易に増車し労働者の収入低下をもたらすと指摘したことを示し、「歩合制賃金や供給過剰にメスを入れるべきだ。規制緩和を見直し、車両の台数を規制せよ」と追及しました。
冬柴国交相は「労働者へのしわ寄せは事実。(改善策を)よく考えたい」と答える一方、参入規制については「考えが違う」と否定しました。
穀田氏は、現在、東京と大阪で実施している運転者登録制度を政令市に拡大するタクシー業務適正化特措法改正案について、実効ある制度となるよう追及しました。
審議会報告では安全確保のため「地理試験を実施する」と明記されているにもかかわらず、国交省は、東京・大阪以外の地域では地理試験を行わず講習を受ければよいとしています。しかも、講習は事業者団体が行い、タクシー会社の自社講習も認める意向です。
穀田氏は「なぜ地理試験を外すのか、骨抜きでないか。事業者まかせでは安全確保できない」と批判し、試験の実施を要求しました。(改正案は十日衆院通過)
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