2007年5月17日(木)「しんぶん赤旗」
資金「送金作業進む」
核施設停止の用意 北朝鮮外務省が表明
北朝鮮外務省は十五日、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)で凍結されていた資金を第三国の北朝鮮口座に送金する作業が進んでいることを明らかにしました。その上で、「送金が実現すれば、六カ国協議での合意に沿って核施設の稼働停止措置を取る用意がある」と明言しました。
北朝鮮外務省スポークスマンが、朝鮮中央通信の記者に答える形で述べたもの。同スポークスマンは、「六カ国協議の合意がいったん履行に入れば、それに対するわれわれの意思は行動を通じて明白に示される」とも述べました。
北朝鮮は二月の六カ国協議で、核施設の稼働停止、国際原子力機関(IAEA)の代表団招請など初期段階措置を受け入れましたが、BDAにある資金の返還問題が未解決だとして合意の履行を遅延。具体的な措置に踏み出さないまま、当初の履行期限(四月十四日)から一カ月が経過しました。
韓国の李存禎統一相は十六日、ソウル市内での講演で、「これまでにはみられなかった、肯定的で積極的な合意を履行する意思の表現だ」と指摘。六カ国協議で米側首席代表を務めるヒル国務次官補は十五日、ニューヨークでの晩さん会で記者団らに「事実だと願う」と語りました。
同次官補は、「近々の解決に向け、ことを進めていけるように期待する」と述べた上で、米側の努力も強調。送金問題は「極めて複雑で技術的な問題だ」と指摘しました。
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