2007年5月19日(土)「しんぶん赤旗」
年金保険料 流用やめよ
高橋議員指摘 事務費に2千億円
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日本共産党の高橋千鶴子議員は十八日の衆院厚生労働委員会で、社会保険庁解体・民営化法案とあわせて、年金保険料を国が負担すべき事務費に流用する問題をとりあげ、国の責任を後退させるものだと追及しました。法案では、これまで臨時的措置としてきた保険料の事務費への流用を恒常化することにしています。
高橋氏は、事務費に流用される保険料は毎年二千億円にのぼっており、これまで法律に明記されていなかった広報や教育、相談事業にも流用できることを指摘。「受益と負担の関係を明確にするため」という政府の説明について、「受益者といっても、それは大多数の国民だ。そんな理屈ではどこまで広がるか分からない。国の責任でやるべきだ」とのべました。
高橋氏は、事務費で増大しているのがシステム経費で、一九九八年に六百六十四億円だったのが二〇〇七年には千二百九十八億円と倍加していることを指摘。さらに新しいシステム構築に千百五十億円かかるうえ、現行のシステム開発費の残債が千五百億円にのぼることをとりあげました。
厚労省は、現行のシステム経費について、社保庁との随意契約によるムダ遣いが指摘されてきたNTTデータなどの大企業が引き続き独占的に受注していることを明らかにしました。
高橋氏は、特定企業を利する実態が変わっておらず、保険料浪費への反省がないと批判。「国庫負担になっている人件費も民間委託がすすんでいけばますます小さくなる。年金運営に国が責任をもっているとはいえなくなる」と指摘しました。
柳沢伯夫厚労相は「効率的な工夫をして、過度に保険料に負荷がかからないように努力したい」と答えました。
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