2007年5月19日(土)「しんぶん赤旗」
「官民交流」で天下り野放し
癒着根絶に逆行
吉井議員
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国家公務員法改悪法案の審議が始まった衆院内閣委員会で十八日、日本共産党の吉井英勝議員が、政府案が天下りを野放しにするのは、官業癒着の防止より、財界・大企業の意に沿った行政になるよう「官民交流」をすすめようとしているからだとただしました。
吉井氏は、安倍首相が天下りの規制強化は「官民の人材の闊達(かったつ)な交流を損なう」と答弁していると指摘し、「官民交流の促進なら、天下りも天上がりもすすめようという話になり、天下りの根絶にはならない」「官民交流で企業の利益を持ち込んだり、公務員の『全体の奉仕者』という性格がゆがめられる」と強調しました。
渡辺喜美行政改革担当相は「官民交流で共通の哲学、方向性を持つようになった方がいい」と天下り野放しを正当化。吉井氏は「そういうなかで癒着が問題になっている」と批判しました。
さらに吉井氏は、各省庁による天下り先のあっせんを禁止し、官民人材交流センターに一元化する問題について、閣議決定で「人事当局から依頼も受け付ける」としており、省庁の関与が残されていると強調。天下りの「押しつけ」が問題だという政府の考えに対し、企業が自主的に天下りを受け入れれば「押しつけ」にならず、いくらでも天下りができることになると批判しました。
渡辺担当相は「あっせんがあれば違反になる」としか答えられませんでした。