2007年5月19日(土)「しんぶん赤旗」
生活保護行政の改善を
北九州市餓死事件 1年で集会
北九州市門司区の男性(56)が生活保護を受けられず餓死した事件の発見から一年が経過した十八日、同市の生活保護行政の検証と改善を求める集会が北九州市小倉北区で開かれました。北九州市社会保障推進協議会・生活保護連絡会が主催。市内各地から百三十人の市民らが参加しました。
北九州市社会保障推進協議会の高木健康会長が経過を報告し、福岡県福祉事務所の元ケースワーカーの三浦紀彦さんが「生活保護における自立支援のあるべき姿を考える」と題して特別報告。意見交換では、生活保護の申請・相談者らが同市の保護行政の現状を次々と告発しました。
門司区で生活保護を受給する男性(60)は、「片目の視力がなく、もう一方の目も白内障でなかなか就労できない」と窮状を報告。しかし、ケースワーカーは「就労する気がない」と保護打ち切りを示唆するなど、行き過ぎた自立指導が同市で常態化していることなどが指摘されました。
門司区での餓死事件以降、北九州市では、専門家や弁護士らでつくる全国調査団による現地調査が実施されるなど、保護行政の実態解明と改善の取り組みも徐々に進められています。
集会は、門司区の餓死事件の検証と保護行政のさらなる改善を求めるアピールを満場の拍手で採択。支援組織を各区にもうけ、生活保護を守る運動を、さらに広げていくことを確認しました。