2007年5月19日(土)「しんぶん赤旗」

沖縄新基地

海自動員し調査強行

掃海艦 近海から支援

名護 住民が抗議


 「人殺しの基地はつくるな」「環境アセス法違反の事前調査は許さない」―。米軍キャンプ・シュワブ沿岸域(沖縄県名護市)への新基地建設に反対する県民が怒りの声をあげるなか、那覇防衛施設局は十八日、調査機器の設置など事前調査を本格強行。潜水作業には海上自衛隊員も参加しました。地元住民らは陸上・海上で抗議行動を展開。ヘリ基地反対協の安次富浩代表委員は「県民に銃口を向ける自衛隊の介入は民主主義への挑戦だ」と訴えました。

 調査強行の報道を受けて辺野古漁港そばの「テント村」には、日本共産党の前田政明県議ら前日からの泊り込み組を含めて、早朝から約百人が結集。漁港内の作業場設置に抗議するため、漁港入り口に座り込みました。

 空が明るくなり始めた午前五時すぎ、調査海域には海上保安庁の巡視船や十数隻のゴムボートが展開。午前六時すぎ、那覇防衛施設局のチャーター船が、海上に調査機材を投入するなど、調査に着手しました。

 横須賀基地(神奈川県)から派遣された海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」は近海に停泊して調査支援にあたっているとみられます。

 徹夜で現地の座り込みに参加したやんばる統一連の仲本興真事務局長は「環境アセス法を逸脱する調査を強行するために自衛隊まで動員して圧力をかけるやり方は許せない。みんなで力をあわせて世論を広げ、何としても調査を阻止させたい」と話していました。

 辺野古に住む嘉陽宗義さん(84)は「私たちには平和を願う世界の世論が味方についている。一人ひとりの力は弱いけど、みんなで団結すれば必ず勝利できる」と力強く語りました。

 一方、名護市の汀間(ていま)漁港では、海上保安庁の職員が、海上での抗議行動に向かう地元住民らの船に対して立ち入り検査を実施。その間、那覇防衛施設局にチャーターされた作業船は検査なく出港しました。


 米軍新基地建設に伴う現況調査(事前調査) 那覇防衛施設局が沖縄県に提出した申請によれば、今回実施するのは辺野古周辺海域の海生生物及び海象調査で、使用面積は三千九百二十五平方メートル。サンゴ調査機器三十九カ所、海生生物調査用ビデオカメラ十四カ所、パッシブソナー(音波探知機)三十カ所、海象調査機器二十九カ所の計百十二カ所に機材を設置する予定です。



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