2007年5月21日(月)「しんぶん赤旗」
生活できる仕事 人間らしく働きたい
たたかえば変えられる
青年大集会
3300人がウエーブ
志位委員長があいさつ
「みんなで力を合わせ職場と社会を変えよう!」の呼びかけに、座っていた三千三百人の青年が次々と立ち上がりウエーブをおこしました。「まともに生活できる仕事を」「人間らしく働きたい」を掲げて二十日、全国青年大集会二〇〇七(同実行委員会主催)が東京・明治公園で開かれました。
「青年一揆」のむしろ旗や「時給千円に」「連」「帯」の文字を記した帽子、色とりどりの風船、法被姿と思い思いにアピールする青年たち。マスコミ約二十社が取材に訪れ、青年を使い捨てにする財界と大企業の横暴は許せないと青年自らが立ち上がった姿が大きく注目を集めました。
「言うべきは言わなくては。たたかえば変えられると、この集会に参加して勇気がわきました」と広島県の男性(20)。「時給六百五十円は最低賃金より低い」と会社に言ったため、解雇通告を受けました。広島青年ユニオンの仲間と解雇を必ず撤回させたいと元気いっぱいです。
「労働組合って社会的連帯を体現することなんだ、自分の仕事に誇りを持てる環境をつくる組織なんだとわかった」というのは、一年前に神奈川青年ユニオンを結成した女性(28)。大阪市の女性(26)は、「初めは仕事のぐちを言い合うだけだったのに、去年の大阪の青年集会、それに向けた地域集会と積み重ねるなかで、小さな声でもあげていくのが大事なんやて自信がわきました」と笑顔で話しました。
実行委員会を代表して民青同盟の姫井二郎委員長が、若者の仕事と貧困の問題の責任は若者を使い捨てにしてきた大企業とそれを応援する政治の責任だと指摘。「仲間の力、連帯の力こそ職場を変え、社会を変える力」と力を込めました。
偽装請負をやめさせ直接雇用を実現したり、労働組合をつくって残業未払い分を支払わせたたたかいが次々と報告され、「自分たちで変えられる。声をだして変えるんです」との訴えに「そうだ」の大きな拍手や指笛、歓声がおこりました。
二年間、ネットカフェ生活を続ける二十四歳の青年が「手放してしまったふつうの生活にもう一度戻りたい」と告発すると、場内から「頑張れ」と連帯の輪が広がりました。全労連の坂内三夫議長や、政党から日本共産党の志位和夫委員長があいさつしました。
集会に先立ち、公園に張られたテントで十一テーマの交流会を開催。集会後、「残業代」「払え」「社会保険」「入れろ」などのかけ声で渋谷までウオークしました。
若者のたたかう姿は未来への希望
志位委員長があいさつ
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日本共産党の志位和夫委員長は、集会がかつてない若者の参加をえていることに感動しているとあいさつを切り出し、「みなさんのたたかいに社会的注目が集まっているのが今回の特徴です。これは、劣悪な雇用実態をただすために若者が自ら声をあげ、たたかいにたちあがっている姿に未来への希望を見いだしているからです」とのべました。そして全国のたたかいの様子を聞き、大切に感じた点として三点をあげました。(あいさつ大要→)
第一は、社会的告発の大切さです。若者の雇用の劣悪な実態は、偽装請負やサービス残業をはじめ多くは、無法に支えられています。それを具体的に告発することがたたかいの出発点になっていると指摘。「格差社会」の実態は貧困問題にあり、政府がまともに調査しようとしないもとで貧困の実態、職場の無法の実態を告発していることは「勇気ある意義ある大義あるたたかいだ」とのべました。
第二は、若者の連帯の大切さです。とくに若者の中で労働組合運動が新しい広がりをみせているのはすばらしいことだと強調。働くものが団結してたたかうことは、憲法二八条にのっとった侵すことのできない権利です。「この権利を若者たちが柔軟でしなやかで強じんなやり方で行使し始め、それが全体に広がれば、日本の歴史を変える巨大な力になる画期的出来事です」と力説。国民、若者を分断する攻撃を「社会的連帯で反撃を」のスローガンを掲げ「仲間をつくり労働組合をつくり、団結の力で打ち破ろう」とよびかけました。
第三は、問題の本質をみすえ、大本から解決する大切さです。深刻な若者の雇用問題は、自然現象ではなく、若者に使い捨て労働をしいている政治と財界に責任があると指摘。このもとで財界は空前の大もうけをしていると告発し、「この道にはけっして未来はない。異常な大企業中心主義の政治にこそ、問題の根源がある。『政治を変えて、若者の未来を開こう』の立場で奮闘しよう」と訴えました。
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