2007年5月21日(月)「しんぶん赤旗」
“ひもで結ばれて拉致”
アジア連帯会議 元「慰安婦」が証言
【ソウル=面川誠】韓国のソウルで二十日に始まった第八回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議では、元「慰安婦」が証言に立ちました。
フィリピン人のピラール・フィリアスさん(80)は「日本の憲兵、警察がとても怖くて、行かざるを得なかった。腰をひもで結ばれて拉致され、抵抗するとなぐられた。鼻を刺されて、その傷跡が残っている。顔にたばこの火も押し付けられた」と発言。「狭義の強制性はなかった」とする安倍晋三首相の強弁に反論しました。
日本共産党の吉川春子参院議員は集会後、全国ネットテレビ局の三社など韓国メディアによる共同インタビューを受けました。吉川議員は、「安倍首相は訪米して『慰安婦』関連の発言について釈明したが、米国に謝るのはこっけいで意味がない。本心は変わっていない」と批判。「本当に謝るつもりなら、河野談話を正式に閣議決定して『慰安婦』への謝罪と補償を行い、野党が共同提案している『戦時性奴隷問題解決促進法案』を成立させる決断をすべきだ」と述べました。
新日本婦人の会の高田公子会長は文書報告で、「慰安婦」問題解決のための新婦人の活動を紹介。日本政府が「慰安婦」への国家補償を行い、教科書への記述を復活して歴史を正しく教えるべきだと強調しました。
バウネットジャパンの西野瑠美子共同代表は「安倍首相が『慰安婦』問題で明確に加害責任を口にしないのは、憲法九条を改悪して日本を新たな『戦争する国』にするために、戦争を肯定する国民意識をつくろうという思惑からだ」と発言しました。
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