2007年5月22日(火)「しんぶん赤旗」

規制改革会議

労働ルール撤廃を主張

最低賃金引き上げ拒否


 政府の規制改革会議(草刈隆郎議長)の再チャレンジワーキンググループ(専門委員会)は二十一日、労働法制の大改悪を盛り込んだ意見書を発表しました。労働時間や派遣労働の全面的な規制撤廃、最低賃金の引き上げ反対など、戦後のたたかいで築き上げられてきた労働法制の根幹を突き崩す内容です。


 「脱格差と活力をもたらす労働市場へ―労働法制の抜本見直しを」と題した報告書は、「労働者の権利を強めれば労働者の保護が図られるという考え方は神話であり、間違っている」と指摘。「誰にでも開かれた市場にすることが格差の是正や労働者の保護、企業活動を活性化する」として、規制の全面撤廃を求めています。

 最低賃金の引き上げは「賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらす」と反対。解雇規制も「非正規雇用へのシフトを誘発し、労働者の地位をぜい弱なものにする」と反対。女性労働者の権利強化も「雇用を手控えるなど副作用を生じる」とことごとく否定しています。

 具体的には、(1)解雇規制の見直し(2)労働者派遣法の見直し(3)労働政策立案の見直し―を提示。

 (1)では、解雇を規制するのではなく当事者の意思に委ねるべきだとして緩和を要求。金さえ払えば解雇が自由になる「解雇の金銭解決」の試行的導入を掲げています。

 (2)では、偽装請負の区分見直しや派遣期間の制限(最長三年)撤廃、港湾輸送など禁止されている業種への派遣解禁を提起。(3)では、労使代表を交えて協議する労働政策審議会を廃止し、別の政策決定機関に委ねるべきだとしています。今後、三年かけて検討するとしています。

表


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