2007年5月22日(火)「しんぶん赤旗」

宇宙ビジネス優先に反対

地理空間法案で吉井議員


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 「地理空間情報活用推進基本法案」(自民・公明与党提案)は、地理情報システム整備に名をかりた宇宙ビジネス優先の人工衛星システム計画に法的根拠をあたえるもの――。十一日に開かれた衆院内閣委員会で、日本共産党の吉井英勝議員が、日本経団連や宇宙産業界からの強い要求にそったものであることを指摘し、同法案に反対しました。

 同法案は、昨年三月に政府がまとめた「準天頂衛星システム計画の推進基本方針」により、日本列島上空に三機の人工衛星を打ち上げ、米国のGPSシステム(地球測位システム)を補完させる計画を推進するためのものです。準天頂衛星システム計画には、一号機の打ち上げと実証試験には約七百五十億円の費用がかかり、すでに三百億円以上の税金が投入されています。しかし、官民共同でスタートしたものの、昨年、企業側がビジネス化の見通しがたたないと撤退しています。

 吉井議員は、システムが完成するまでの経費見通しと民間負担割合を質問。文部科学省側は、千四百五十億円の試算を示し、「民間負担割合は決まっているわけではない」と答えました。

 吉井議員は、「衛星システムは米国のGPSを使わなければ十分に機能せず、米国のGPSから自立したものにはならない」と批判。「国民に財源を負担させ、民間企業はリスクを負わず事業化のメドが立ったら参加して、利益だけえていこうというもの。認めるわけにはいかない」と強調しました。

 同法案は同日、衆院本会議で賛成多数で可決され、参院に送付されました。


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