2007年5月23日(水)「しんぶん赤旗」
沖縄新基地調査 緒方議員が追及
海自艦派遣は威圧
首相「有効活用」と居直り
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政府が沖縄新基地建設のための調査に、掃海母艦「ぶんご」(五、七〇〇トン)まで差し向けたことに沖縄で立場を超えて怒りが広がっています。日本共産党の緒方靖夫議員が二十二日の参院外交防衛委員会で、在日米軍再編を実行するために自衛隊を使って県民まで威圧する安倍政権の異常さを批判したのにたいし、安倍晋三首相は「資源の有効活用」などと居直りました。
緒方氏は、仲井真弘多沖縄知事も「銃剣を突きつけるような連想をさせる」と批判していることを挙げ、政府の姿勢をただしました。安倍首相は「海上自衛隊の潜水能力等を活用したもので、国の資源を有効活用した」などと平然と語りました。
緒方氏は「『国の資源の有効活用』とは驚いた。それなら自衛隊はどこでも行けることになる」と批判しました。
そのうえで、怒りが広がるのは“軍艦”派遣が「県民世論への国家の威圧」(沖縄タイムスの社説)だからだと指摘。「こんなやり方で県民の理解が得られると考えているのか」と迫りました。
首相は「海自の潜水夫に作業してもらった」と答弁。それならなぜ巨大“軍艦”が必要か、まともに説明できませんでした。
首相が「県側にも誠意をもって説明していきたい」と述べたのに対し緒方氏は、自民党県連でさえ「誠に遺憾」「本県の政治情勢をまったく理解していない」と批判していることを指摘。沖縄にとって、占領下に銃剣とブルドーザーで土地を奪われて基地がつくられた歴史と重なることも強調し、「米国との約束と沖縄の声のどちらが大事なのか」とただしました。
首相は「米軍再編を着実に進めていきたい」と述べ、あくまで米国と合意した計画をごり押しする立場を表明。緒方氏は「そういう押しつけは時代錯誤であり、とんでもない」と批判しました。
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