2007年5月23日(水)「しんぶん赤旗」
温暖化対策に逆行
海洋汚染防止法案 市田議員が追及
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日本共産党の市田忠義議員は二十二日の参院環境委員会で、海洋汚染防止法改定案について「今後も二酸化炭素(CO2)を増やし続け、それを隠すための仕組み作りであり、本来の排出削減の方向に逆行するものである」と厳しく批判しました。
この技術は、石炭火力発電所などで大量に排出したCO2を分離・回収し、海底下に埋め込む開発途上のものです。環境影響評価手法が未確立で漏洩(ろうえい)の可能性も指摘されているなど、海洋環境の保全が確保されていない危険なものです。
市田氏は、電力業界の排出実態と今後の見通しを示し、「今回の仕組みづくりは激増させたCO2を隠すだけのごまかしであり、いま取り組むべきことは排出量の主要部分を占める産業界に総量での削減を迫ることだ」と政府の姿勢をただしました。
電力業界の二〇〇五年度排出量は、基準年(一九九〇年)比で約一億トン―CO2を増加(同期間の日本全体の純増量が約一億三百万トン―CO2)させています。また、全発電量に占める石炭火力発電量の割合は、一九九〇年9・7%、二〇〇五年25・7%と大幅な伸びで、一一年の見込みも21・4%と高いものです。
若林正俊環境相は、「埋め込むことは削減ではない」と認めながらも「産業界の自主的取り組みに期待したい」との姿勢にとどまりました。
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