2007年5月24日(木)「しんぶん赤旗」
社保庁解体法案
個人情報守られない
高橋議員 民間委託で流出続発
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社会保険庁の分割・民営化法案を審議中の衆院厚生労働委員会で二十三日、日本共産党の高橋千鶴子議員は委託先の民間会社から個人情報が流出する事件が発生していることをあげ、社保庁を解体し民間会社に委託する法案で個人情報が守られるのかとただしました。
柳沢伯夫厚労相は「委員がいう通り、委託の再委託を許容していたのでは大事な個人情報の保護をまっとうできるわけがない。社保庁の外部委託に当たっては絶対に再委託を認めない。委託先の研修も本当に実効性のあるものにしていく」と答えました。
高橋氏は、全町民や転出入者など五万四千人分の老人保健や口座の情報を含む個人情報がインターネットに流出した愛媛県愛南町の事件を指摘。町がNECを介して委託契約を行った会社がさらに別会社に無断で再委託し、派遣社員らにまかせた結果だとのべました。
さらに秋田県北秋田市でも同様の業者、原因での情報漏えいがあったと指摘。「社保庁はさまざまな個人情報をオンラインでつなぐ試みと外部委託化をすすめているが、社保庁だけが安全ですと言い切れるのか」と追及。全国の実態を調査すべきだと求めました。
社保庁の青柳親房運営部長は「どういうふうになっていて、問題が生じているのか把握したい」と答弁しました。
高橋氏はまた、年金保険料の記録ミスについて絶対にあいまいにせず、年金加入者に不利益にならないよう解決すべきだと強調。本人になんの瑕疵(かし)もないのだから、時効にしないようにと求めました。
青柳運営部長は、時効の五年を超えても、裁定請求が行われていたのに適正な処理が行われなかったために、九年分の差額を支払った事例があると紹介。納付記録を送付すべきだと求めた高橋氏に対し、記録については本人の申し出があれば見せるとのべるにとどまりました。高橋氏は説明責任を果たすことにならないと批判しました。
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