2007年5月26日(土)「しんぶん赤旗」

温暖化ガス

抜本的な削減策必要

8団体が政府に提案


 気候ネットワーク(浅岡美恵代表)など環境八団体は二十五日、地球温暖化の脅威を防ぐため、来年から実施がせまられている京都議定書の温暖化ガス削減目標を達成する提案をまとめた「環境NGO合同声明」を発表しました。


 声明は「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第四次評価報告書は、地球温暖化が加速的に進行しており、影響がきわめて深刻であることをあきらかにした」と指摘。いま政府が行っている京都議定書目標達成計画の見直し方では削減目標を達成できないと訴え、政府に二〇三〇年、五〇年の中長期の削減目標設定や、削減量が担保できる新しい政策導入を提案しています。

 早川光俊・CASA(地球環境と大気汚染を考える全国市民会議)専務理事は「最大の問題は、もっとも排出量の多い(発電所など)エネルギー転換部門と産業部門が、直接排出では日本のCO2排出量の64%を占めているにもかかわらず、日本経団連の『自主行動計画』に全面的に依存していること。総量としての削減が担保されない」と合同声明を発表しました。

 声明は、すべての主体(企業)・部門にCO2排出におうじて支払う炭素税や大規模排出部門に排出上限を設ける「排出権トレード制度」などの経済的仕組みとともに、自然エネルギー導入促進と省エネルギーによるエネルギー政策の転換を提起しています。

 気候ネットワークの浅岡代表は、CO2排出削減に逆行して、石炭火力発電所が一九九〇年から〇五年までに発電電力量も設備容量も三倍以上に大幅増加したと指摘し、エネルギー政策の転換を訴えました。

 環境エネルギー政策研究所、グリーンピース・ジャパンの担当者が、原子力依存から太陽光・風力発電など自然エネルギー導入を提案しました。



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