2007年5月26日(土)「しんぶん赤旗」
地方財政健全化法案
衆院本会議で可決 共産党反対
吉井議員 監査制度ただす
地方自治体の財政悪化の“早期是正”を掲げ、政令で定める基準を自治体が超えた場合に、「財政健全化計画」の策定などを義務づける地方財政健全化法案が二十五日の衆院本会議で自民、民主、公明、国民新の各党の賛成多数で可決されました。日本共産党と社民党は反対しました。
本会議に先立つ二十四日の総務委員会の質疑で、日本共産党の吉井英勝議員は、同法が自治体財政の指標に監査委員の審査を義務づけていることから監査制度の問題点を取り上げました。
吉井氏は、地方自治体の財務諸表の「客観性・正確性を担保する」機能を果たすよう期待されている監査委員について、身内の職員OBの起用や議員の短期交代が常態化していることを追及し、OBや議員を選出対象から外すよう求めました。
これに対し、菅義偉総務相は「監査制度は現状として問題がある。(吉井)委員の指摘がこれからの改革の一つの方向だと思っている」と明言しました。
総務省側は監査について「指標の正当性の確保を図るため」などと答えましたが、吉井氏は、有識者として監査委員に選ばれたOBが、市町村で24・1%、都道府県では37・5%になることを指摘しました。また、有識者の選任数とほぼ同じ程度の議員も、一九九九年から四年間の任期で監査委員を一年で交代した都府県が三十にのぼります。
吉井氏は、監査を受ける立場の長が委員を任命する選任方法の見直しも併せて求めました。菅総務相は、「そのことも含めて検討していく」と答えました。