2007年5月27日(日)「しんぶん赤旗」
侵略美化
靖国DVD告発に反響
石井質問 韓国TVが紹介
日本の侵略戦争を美化する日本青年会議所製作の“靖国DVD”が学校現場に持ち込まれている―このことを告発した日本共産党の石井郁子衆院議員の国会質問(十七日)が反響を広げています。「学校で使うな」と各地で教育委員会への申し入れがおこなわれる一方、韓国のテレビがこの問題を取り上げるなど、国際的にも波紋を呼んでいます。
「誇り」と題するDVDはアニメを通じて、日本の戦争を「自衛のための戦争」、アジア解放のための戦争だったと主張し、靖国神社の遊就館が展示している内容と基本的に同じものです。これを教材にした教育事業が文部科学省の委託事業に採用され、全国の学校で実施されようとしています。
二十二日には韓国のニュース専門のケーブルテレビ局が「日本文科省、戦争美化の授業を委託」とのタイトルで“靖国DVD”を批判する番組を放送し、石井議員の国会質問も紹介しました。
番組は「日本の右翼勢力が、誤った歴史観を子どもたちに注入し、これを政府が事実上あおっており、子どもたちの歴史観が危険な段階に達するとの指摘が出ています」とコメントしました。
新潟、富山、高知では日本共産党が県や市の教育委員会に、このDVDを学校に持ち込ませないように申し入れ。新潟県の義務教育課長は「私も元校長なので、話の通りだとすれば、私が校長なら使わない」と答えました。
文科省の本質出たと話題に
インターネット上でも話題になり、多くのブログ(ネット上の日記)が取り上げています。
「文部科学省のホンネというか、本質が出た」(愛知県の男性)、「まさかこんなものに国の予算がつくなんて」(大阪の工業デザイナー)、「アジア解放のための戦争だって? もしこんな事をほかのアジア諸国で発言したら笑いものです」(米国在住)。
国会の石井室や党本部にも問い合わせや激励の電話が連日寄せられています。
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