2007年5月28日(月)「しんぶん赤旗」
社保庁解体 国の責任放棄
NHKで小池氏 「消えた年金」巡り指摘
日本共産党の小池晃政策委員長は二十七日、NHK「日曜討論」に出演し、「消えた年金記録」問題や社会保険庁の解体・民営化法案などをテーマに、各党政策責任者と討論しました。
小池氏は、年金保険料について該当者不明の納付記録が五千万件にのぼる問題について、「国の責任で調査し、一人も不利益になる人を出さない対策が必要だ」と強調。政府が、その十分な対策を示さないままに、年金業務を民間委託しようとしていることを告発し、「今回の『消えた年金』問題で、あらためて年金は何十年にもわたって国民の財産を管理する大事な仕事であることが浮き彫りになった。そういうときに『社保庁改革』の名で国の責任を投げ捨てることは許されない」と批判しました。
小池氏は「消えた年金」問題の解決策として、「政府は年金受給者だけに今までの履歴を送るというが(保険料を払っている現役世代も含めて)全加入者に対し政府から通知して、納付記録に誤りがないか確認を求めるべきだ」と提案。政府が二〇一〇年までに記録の確認作業が終わらないとしながら、その二〇一〇年に年金事業を解体しようとしていることを指摘し、「国の責任逃れだ。ここに重大問題がある」と重ねて批判しました。
自民党の中川昭一政調会長は「小池さんがいう“(政府が)出向いて全国民に聞けばいい”というのは、一つの方法だ」と述べる一方、「大臣(の責任)がどうだとか、そういう議論は時間がもったいない」と開き直りました。
また中川氏が「(『消えた年金』問題は)社保庁職員たちの責任だ」と述べたことに対し、小池氏は「社会保険庁は、厚生労働省の一部局であり、政府の責任だということを明確にすべきだ。現場の職員に責任を押し付けるというやり方は本末転倒だ」と批判しました。
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