2007年5月29日(火)「しんぶん赤旗」
社保庁法案強行狙う
市田氏批判 年金記録ミス 不安放置
自民・公明
自民、公明両党は二十八日夜の衆院議院運営委員会理事会で、国が責任を負うべき年金業務を民間任せにする社会保険庁解体・民営化法案について二十九日の本会議で採決することを提案、日本共産党など野党側は強く反対しましたが、逢沢一郎議運委員長の職権で決めました。政府・与党は、五千万件にのぼる年金記録ミスをめぐる国民の不安にこたえることなく、二十五日の厚生労働委員会の強行採決に続く暴挙を行おうとしています。
政府・与党は同日、社保庁法案と安倍晋三首相が記録ミス問題での「対策」として指示した特例法案について「セットで車の両輪で対応し、今国会で必ず成立させる」(自民・中川秀直幹事長)とあくまで採決を強行する姿勢をみせました。
これに対し日本共産党の市田忠義書記局長と穀田恵二国対委員長は、河野洋平衆院議長に審議を衆院厚労委に差し戻すよう申し入れました。
市田氏は記者会見で、大問題になっている年金記録ミス問題に関して、「国民が払った保険料が老後にきちんと年金として給付されるのかどうかわからず、国民は大きな不安にかられている」と指摘。その上で政府の責任について、「この問題をあいまいにしたまま社会保険庁を解体して、六つに分けて民間に委託すれば、数十年にわたる国民の財産管理について、国が責任を放棄することになる」「政府は年金加入者全員に通知して調査し、不安が残らないようにきちんとすべきだ」と強調しました。
議運委理事会で穀田氏は「年金記録ミスで安倍首相が議員立法が必要だと指示しているほどの重大事態だ。その間に社保庁を解体したら解決のめどもつかない」と法案採決に反対しました。
一方、民主、社民、国民新の野党三党は幹事長会談を開き、柳沢伯夫厚生労働相の不信任決議案と桜田義孝衆院厚労委員長の解任決議案を二十九日に共同提出することで一致。市田氏は、会見で両決議案が提出されたら賛成すると表明しました。