2007年5月29日(火)「しんぶん赤旗」

政府に最賃上げ要求

全労連九州ブロックが交渉


 「生計費に見合った最低賃金の保障を」―。貧困と格差の広がりが社会問題化するなか、全労連の九州ブロックは二十八日、厚生労働省を訪れ、最低賃金の引き上げを求めて交渉しました。

 全労連・九州ブロックでは昨年につづき、今年二月から三月の一カ月間、福岡、長崎、熊本の三県が地域別最低賃金で一カ月生活を試みる「最低賃金生活体験運動」を実施。交渉では、月十万円程度の収入から社会保険料、家賃などを差し引いた額で生活した体験者が、生々しく告発しました。

 福岡県の女性(26)=病院勤務=は、最賃生活体験の実感を、「一日、数百円単位のお金を気にする生活。毎日、明日の生活の不安を覚えた」と告発。「お金がなくなった時点で、あす食べるものがなくなるという実態を率直にどう考えるか」と訴えました。

 長崎から参加した女性は「子どもが病気になっても、最賃生活では病院にも連れていけない。これが人間らしい生活といえますか」と率直に思いをぶつけました。

 体験者の告発に、対応した厚生労働省の担当者も「地方では、最賃水準に給与が張り付く労働者が多いのは危ぐしている。本音を話せば、今の最賃水準でいいかと、個人的に思うことはある」と述べる場面も。最賃引き上げに対しては「最賃法の改正案が国会で審議中であり、その結果を踏まえた対応をしていく」と回答しました。

 交渉には、最賃体験を実施した福岡、長崎、熊本の各県に加え、大分、佐賀、鹿児島、沖縄各県の代表十二人が参加。日本共産党の春名なおあき参院比例候補(元衆院議員)、田中みゆき福岡参院選挙区候補、ばば洋光宮崎参院選挙区候補、田村貴昭衆院比例候補が同席しました。



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