2007年5月30日(水)「しんぶん赤旗」
いじめ自殺 知る権利
井上議員 遺族の要望書を示す
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日本共産党の井上さとし議員は二十九日の参院文教科学委員会で、いじめ自殺で子どもを失った遺族から寄せられた「親の知る権利」についての要望書を示して、「どう受けとめるのか」と迫りました。
要望書は遺族ら八十人が賛同し、遺族の思いとして「親が真実から一番遠くにおいやられている」と書かれています。井上氏は、学校や教育委員会が知り得た情報を、議会やマスコミには知らせながら、被害者の親には知らせていない実例を示し、「被害者の知る権利が侵されている」と指摘。「遺族のみなさんの『親が知るシステムをつくってほしい』という要望に応えるべきだ」と求めました。
伊吹文明文部科学相は「保護者に情報を遮断するというのは困ったこと。保護者と学校がお互いに相手を非難するのではなく、情報を共有しながら子どもを守る日本であってほしい」と答えました。
井上氏は、国が作る教育振興基本計画に「いじめ半減」などの数値目標が盛り込まれ、教育三法案に盛り込まれた学校評価の評価項目になれば、「学校と教師がいじめの問題をありのままに報告することを妨げてしまう」と指摘。遺族の要望書にも「目標数値の設定はやめてください」と書かれていることを示し、「真に問われるのは、どのようにいじめをなくすかだ」と強調しました。