2007年5月30日(水)「しんぶん赤旗」
「集団自決」の教科書検定
沖縄戦の歴史を否定
撤回要求 座間味村議会が意見書
文部科学省の高校教科書検定で、太平洋戦争末期の沖縄戦の際の「集団自決」について、日本軍の強制があったという記述に検定意見が付き、各社の教科書が修正された問題で、「集団自決」があった沖縄県座間味村の村議会は二十九日、臨時議会を開き、検定意見の撤回を求める意見書を全会一致で可決しました。
沖縄本島から南西約四十キロ離れた慶良間諸島の座間味島などには、沖縄戦当時、日本軍の海上特攻部隊が置かれていました。米軍が慶良間諸島に上陸した一九四五年三月に、座間味島、渡嘉敷島(渡嘉敷村)などで「集団自決」が発生。生き残った住民らは、日本軍の強制や誘導があったと証言しています。
村議会の意見書は、文科省が今回の検定で、座間味村に駐屯した日本軍の元隊長が起こした裁判での証言を、日本軍の関与を削除した理由の一つにあげていることについて「係争中の裁判の一方の当事者の主張のみを取り上げ、体験者による数多くの証言や歴史的事実を否定しようとするもの」と批判しています。
県内では、文科省が行った日本軍の強制削除に対し、「この国のおかした罪を消すことになる」と強い反発の声が広がっています。「集団自決」が同じく起こった慶良間諸島の渡嘉敷村をはじめ、半数以上の市町村議会が同様の意見書を採択したか、六月議会での提案を予定しています。
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