2007年5月31日(木)「しんぶん赤旗」
年金特例法案 強行採決
国の責任を放棄し、被害者である国民に責任押し付けるもの
志位委員長が会見
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日本共産党の志位和夫委員長は三十日夕、与党が「年金時効特例法案」を強行採決したことを受け、記者団の質問にたいして次のようにのべました。
一、許しがたいやり方だ。強く抗議する。「消えた年金」問題はすべて国の責任で起こった問題で、国民にはまったく責任がない問題だ。だから、国が責任をもって解決するのが当然だが、政府・与党の出した枠組みというのは、被害者である国民に責任を押し付けるというものであって、断じて認められない。
そして、この「救済策」なるものとワンパッケージで、社会保険庁を解体・民営化することになると、責任を果たすべき主体である国の機構がなくなり、国が責任をもって解決することを不可能にする。この点でも許しがたいものだ。
一、(審議入り即日の採決について)これも許せない話だ。(年金記録ミスの)問題自体は、十年前からずっと問題になってきたことだった。この問題をたった一日の質疑で強行してしまった。本来ならこれを引き起こした国の責任、厚生労働省の責任をしっかり明らかにしたうえで、国民にとってベストな打開策をつくることが求められている。
五千万件という形で、膨大な年金記録が「宙に浮き」、年金受給権が消されてしまうということに多くの国民が不安を訴えている。すべての党が真剣にこの問題の打開策について協議し、審議を尽くして、ベストな打開策を見つけるべきなのに、それをたった一日の質疑で強行してしまったことも許しがたい。
今度のやり方は、年金受給者の権利を保護するという一番大事な国の責任を投げ捨て、結局、「保護」しようとしているのは、危機に陥った安倍政権だ。自分たちを「救済」しようという党利党略のやり方だ。
一、(与党が本会議で採決するとした場合の対応は)採決のやり方自体がまったく不正常だから、衆院厚生労働委員会への差し戻しを強く求めていきたい。本会議での強行はすべきではない。
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