2007年5月31日(木)「しんぶん赤旗」
全員救済の保障なし
年金記録問題 高橋議員追及 与党案を批判
日本共産党の高橋千鶴子議員は三十日の衆院厚生労働委員会で、「消えた年金記録」問題をとりあげ、政府・与党案では救済されるべき人が救済される保障がないとのべました。
高橋議員は、社保庁解体・民営化法案に続いて年金支給の時効特例法案を急きょ提出して採決をねらう与党の姿勢について「与党のおごりそのものであり、断じて許せない。十分な審議を行うべきだ」と批判しました。
その上で、救済するというなら、年金記録が誤っていると本人が申し出たのに証拠がないとして却下された二万人について、まず再調査を行うべきだと求めました。
柳沢伯夫厚生労働相は「納得いかないのなら本庁にあげてもらいたい」と繰り返すだけ。すでに時効になった人にどういう手だてをとるのかとの質問に対しても、与党提案者の福島豊議員は「広報や個々に知らせるよう要望している」とのべただけで、権利回復につながる保障がないことを浮き彫りにしました。
さらに高橋氏は、時効がなくなっても本人が申請しなければ救済されないことに変わりはないと指摘し、「記憶が定かでない人も少なくない。家庭訪問など特別な相談体制をとるべきだ。基礎年金番号導入のときは臨時雇用だけでなく定員増も行った。そういう覚悟があるのか」とただしました。
村瀬清司社保庁長官は「必要なら強制徴収から職員を振り分けてでもやる」と答えただけでした。
高橋氏は「二万人の再調査もやらないのでは、これまでから一歩も出ておらず、スタートラインにも立てない」と批判。「これでは賛成などできない。社保庁解体法案も差し戻すべきだ」とのべました。