2007年6月1日(金)「しんぶん赤旗」
自・公、採決強行へ
社保庁解体・年金特例法案
失政のツケ 国民に
衆院本会議
「消えた年金」問題が国民の大きな怒りを巻き起こすなか、自民、公明両党は一日未明の衆院本会議で、社会保険庁解体・民営化法案と「年金時効特例法案」の採決強行を狙い、日本共産党など野党との間でぎりぎりの攻防が続きました。
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反対討論に立った日本共産党の笠井亮議員は、「消えた年金」問題に対する政府・与党の「救済」策と「特例法案」の問題点について指摘しました。最大の問題が本人の申請、保険料納付の証明をしなければ、年金記録が訂正されず被害が補償されない点にあり、「従来の枠組みは、まったく変わっていない」と批判。「被害者本人に立証責任を負わせることは問題解決の道を閉ざすものにほかならない」と強調しました。
また、社会保険庁解体・民営化法案について、該当者不明の約五千万件の納付記録について解決するメドも、まともな方策も示さないまま、社保庁を解体・民営化しようとしており、「国の責任放棄以外のなにものでもない」と批判。「問題の処理はそれこそ『宙に浮き』、新たな記録の消失を生み出しかねない」と述べました。
その上で、年金業務を民営化し、税務署が乗り出して滞納者から保険料を強制徴収することまで盛り込んでいる同法案は、「廃案しかない」と訴えました。
この日は、終日与野党の攻防が続き、野党側は採決日程を職権で決めた逢沢一郎議院運営委員長と桜田義孝厚生労働委員長の解任決議案、柳沢伯夫厚労相の不信任決議案をそれぞれ提出しました。与党は逢沢、桜田両委員長を、「円満な運営をしてきた」などと擁護。三つの決議案を反対多数で否決しました。
桜田厚労委員長解任決議案の賛成討論に立った日本共産党の高橋千鶴子議員は、「一週間のうちに二度も強行採決をした暴挙に満身の怒りを込めて抗議する」と述べました。
柳沢厚労相の不信任決議案の賛成討論に立った穀田恵二議員は、国の責任で起こった今回の問題に、無責任極まりない態度をとってきた柳沢大臣にたいし「厚生労働大臣の資格に欠けることは明白だ」と批判しました。
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