2007年6月1日(金)「しんぶん赤旗」

国と地方のズレ「是正せず」

「教育振興基本計画」 井上議員に文科相

（写真）質問する井上さとし議員＝３１日、参院文教科学委

　日本共産党の井上さとし議員は三十一日の参院文教科学委員会で、教育三法案に盛り込まれた教育委員会に対する国の「是正の要求」について質問しました。今後国が作成する「教育振興基本計画」と地方の定める「基本計画」との内容が沿わないと国が判断した場合、「『是正の要求』の対象となるのか」とただしました。

　伊吹文明文部科学相は「教育振興基本計画は法令ではなく、国会への報告事項なので、（対象にはならないという）解釈でいい」と答えました。

　さらに井上氏は、全国一斉学力テストが「教育振興基本計画」に盛り込まれた場合に、「教委が参加しないと決めても是正の対象とならないのか」と質問。文科省の銭谷真美初等中等教育局長は「対象にはならない」と認めました。

　井上氏は、文科省の委託研究調査でも、教委の会議が不活発な理由のトップに「通達・通知等で国（県）の方針が決まっているために、議論のしようがない場合」があげられていることを示し、「文科省の影響力が強すぎることこそ教委の形骸(けいがい)化の根本原因。国の『是正の要求』を盛り込むことは、教育の地方自治をいっそう困難にする」と述べました。