2007年6月1日(金)「しんぶん赤旗」
キャリア制度見直せ
国家公務員法改悪で吉井議員
差別放置を批判
国家公務員法改悪法案を審議している衆院内閣委員会で五月三十日、日本共産党の吉井英勝議員はI種採用職員だけが猛スピードで昇進していく現状のキャリアシステムは国家公務員法の理念に反していると指摘し、抜本的に見直すよう求めました。
吉井氏は、政府案が「採用試験の種類」などにとらわれずに人事評価に基づいて任用や給与を決めていくとしていることについて、I種、II種の区分そのものをなくすべきでないかと問いました。
林芳正内閣府副大臣は「入り口でわける必要はない」と答弁。塩崎恭久官房長官は「評価に基づく人事をおこなっていく」とのべるにとどまりました。
吉井氏は、「キャリアシステムに国公法上の法的根拠はあるのか」と質問。法的根拠がないことを認めた人事院の鈴木明裕人材局長に対し、吉井氏は、二〇〇二年度の人事院勧告でキャリアシステムが「民主化と能率化という国家公務員法の理念が十全に実現されるところとならない」「戦前の文官高等試験の下でのシステムが運用として残ったもの」と人事院自身が報告していることを指摘しました。
吉井氏は「人事管理原則」の前提である「平等取り扱いの原則」について、賃金・昇任昇格差別や男女差別がまかり通っていると指摘。全税関の組合員におこなってきた差別が最高裁でも断罪され、総務省の統計局・研修所では、係長以上の女性が二割なのに男性は五割と、昇進面で女性差別があるとのべました。
「こうした任用実態を放置しては、これからの人事評価を公正にできる保証がない」とただしました。
塩崎官房長官は、「平等取り扱いの原則を踏まえた扱いでなければならない」と答えました。