2007年6月2日(土)「しんぶん赤旗」
公務員制度改悪法案
天上がりも自由化
吉井議員指摘 癒着・談合なくならぬ
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日本共産党の吉井英勝衆院議員は一日の衆院内閣委員会で、「天下り」の事前規制をなくす公務員制度改悪法案について、「官民交流」の名で天下りや天上がりを自由化するものだとのべました。
吉井氏は、安倍晋三首相が「人的交流を妨げる」と規制強化に反対していることについて、「現行の官民人事交流法では民間出身者が企業に戻る場合は天下り規制を適用除外しており、官民交流に影響しない仕組みになっている」とのべ、首相の言い分はなりたたないと指摘しました。
「官民交流の拡大が必要」と正当化する安倍首相に対して吉井氏は、公務員法が掲げる「私企業からの隔離」は、全体の奉仕者である公務の公正・中立性を守るためであり、官民交流の拡大は公務をゆがめると指摘。「天下りの原則禁止という垣根を取り払い、天下りや天上がりを自由化すれば、官業癒着や官製談合の土壌をつくることになる」と強調しました。
安倍首相は「省庁のあっせんをなくし、人材交流センターが行う」「厳しい行為(働きかけ)規制を行う」と答弁。
吉井氏は、天下りを原則自由にして働きかけを禁止しても意味がないと批判。センターが各省庁と連絡をとってすすめるなど、省庁が関与する仕組みも温存されていることをあげて、「これまで省庁の幹部がやっていたのを、センターの長がやるだけで何も変わっていない。これでは天下りや癒着、談合はなくならない」とのべました。