2007年6月3日(日)「しんぶん赤旗」
今週の国会
社保庁法案
参院であす審議入り
共産党 与党の暴走と対決
国会は二十三日の会期末まで三週間となりました。「消えた年金」問題の逆風や支持率急落に加え、松岡利勝前農水相の自殺で打撃を受ける安倍晋三首相は、年金と天下り問題についてまともな審議もせず、法案をごり押しする姿勢を強めています。参院選挙を目前に終盤国会は、政府・与党の暴走に真正面から対決する党はどの党かが問われています。
一日の衆院内閣委員会・本会議で政府・与党が強行採決をめざした国家公務員法改悪案は、新たに設置する「人材バンク」で天下りを公然と自由にするものです。
日本共産党など野党側の反対や相次ぐ強行採決による与党内の矛盾もあり、同日の採決は見送られましたが、民主党はそれと引き換えに六日の委員会、七日の本会議で採決することを自民党と合意しました。しかし、採決を含めた日程は同委員会理事会や議院運営委員会理事会ではまだ確認されていません。日本共産党は、徹底審議を求めています。
政府・与党が強行採決を繰り返して衆院通過させた社会保険庁の解体・民営化法案と「年金時効特例法案」は四日の参院本会議で審議入りします。年金問題で「対決」姿勢をみせる民主党ですが、ここでも安倍首相が五日に主要国首脳会議(サミット)に出発する日程を“考慮”し、自民党の日程提案を受け入れました。与党は五日から参院厚生労働委員会での審議入りを狙っています。
特例法案が被害者本人に立証責任を押しつけ、社保庁解体法案で国が責任をもって解決することを不可能にしようとしているなか、「国が責任をもって調査し、解決をはかる」(日本共産党の志位和夫委員長)ことが求められています。
参院では、自衛隊のイラク派兵を二年間延長するイラク特措法延長案の質疑が外交防衛委員会で始まります。また、文教科学委員会では、教育への国の統制強化をすすめる教育三法案の参考人質疑などが行われます。
土日曜を除く実質会期が十五日間になったもとで、与党は両法案を中旬にも採決・成立させる構えです。
「政治とカネ」の疑惑の渦中にある松岡前農水相の自殺は、安倍首相の任命責任が問われるものになっています。与党と民主党は、所属議員の事務所費疑惑などの全容解明を避け、政治資金規正法「改正」案という制度いじりで幕引きをはかろうとしています。
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