2007年6月3日(日)「しんぶん赤旗」

中学生も知ってほしい

東京 「慰安婦」展始まる


 「中学生のための『慰安婦』展―すべての疑問にお答えします」が東京都新宿区のアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」で始まりました。第五回特別展の初日となった二日はシンポジウムが開かれ、多くの若者を含む百人を超える人たちが参加しました。同展の開催は来年五月二十五日まで。

 五人のパネリストが「私にとっての『慰安婦』問題」と題して討論しました。

 「消せない記憶」全国同時証言集会・京都のメンバー、村上麻衣さん(28)は、フィリピンのピラール・フリアスさんとの出会いを通し、「体験を語るおばあさんたちにとって日本に来る意味、証言をする意味を考えるようになった」。手を広げ温かく見守ってくれる韓国の被害者と出会い、「人間の尊厳がキーワード。個人の尊厳とどう向き合えるか考えていきたい」と話しました。

 「被害を受けた女性が戦後六十年ずっと放置されていることに憤りを感じた」と話す高橋堅太郎さん(23)は、海南島「慰安婦」訴訟支援や聞き取り調査をしているハイナンNETの一人です。「被害を放置してきた政府に自分たちは責任を負っている。原告として名乗り出てきた被害者に対し応えていかないといけない」と語りました。

 中学校で「慰安婦」問題を教えた元教師、高橋美智子さん(62)は授業で使ってきた「慰安婦」の紙芝居を披露。シンポジウムを通して「平和憲法と人権の大切さを痛感した」と語りました。

 「慰安婦」という言葉がすべての中学校の歴史教科書から消えたなか、同展は「『本当のことが知りたい』と思っている中学生から戦争体験者の世代まですべての人のための『慰安婦』展」として始めました。日本軍「慰安婦」制度についてや被害女性たちの証言、消えた「慰安婦」記述の足跡と背景などを展示しています。



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