2007年6月3日(日)「しんぶん赤旗」

バイオ燃料 試み交流

全国菜の花サミット 山形


 「どうする地球温暖化。どうなる日本の農業とエネルギー」をテーマに、全国菜の花サミット(実行委員長・市川昭男山形市長)が二日、二日間の日程で山形市で始まりました。同サミットは、使用ずみ天ぷら油などの資源リサイクルをめざす「菜の花プロジェクト」の一環で、今回が七回目。国、自治体関係者、研究者、市民団体など四百人が参加し、各地の取り組みを交流しました。

 ガソリンなどの化石燃料の高騰を背景に、菜の花の種からとるナタネ油や廃油を加工したバイオディーゼル燃料(BDF)を利用する動きが各地で広がっています。

 開設して十六年を迎える東北芸術工科大学(山形市)の小林恵子学生課長は、昨年から学生専用の循環バス二台に、学生食堂の廃食油を加工したBDFを使用している取り組みを報告。学生の利便性とともに、近距離の自動車通学をへらす効果があるといいます。

 韓国から参加した韓国菜の花プロジェクトの金江烈さんは、今年始まった、休耕地を利用した国のディーゼル用菜の花生産事業を紹介。栽培農家には米・麦所得との差額が補助されるなどの政府の措置もあり、ガソリンスタンドでのBDF販売も始まったと報告しました。

 農水省の末松広行大臣官房環境政策課長が基調講演し、国産バイオ燃料については非課税にすべきだとの考えを示しました。

 サミットでは▽農地保全のための支援システム構築▽国産バイオマス(生物由来資源)の優先利用、地産地消の原則の確立▽だれもが参加できる資源循環型社会・持続可能な社会構築のモデルづくり――の三つを国、企業、NPOに呼びかける「菜の花サミット山形宣言」を採択しました。



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