2007年6月7日(木)「しんぶん赤旗」
天下り禁止こそ必要
衆院内閣委 吉井議員が主張
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日本共産党の吉井英勝衆院議員は六日の内閣委員会で、国家公務員法改悪案による「官民交流拡大」は官業癒着を拡大するものだとのべました。
政府案では、離職後二年間の天下り禁止をなくす代わりに、出身省庁への働きかけについて離職後二年間禁止します。
吉井氏は「国交省や金融庁の局長がゼネコンや金融機関へ再就職を申請したら拒否できるか」と質問。渡辺喜美行革担当相は「条文上の規定はない」と認めました。
治療薬タミフルをめぐる癒着事件では、新薬承認審査の担当課長が公益法人を迂回(うかい)して製薬会社に天下りし、緑資源機構事件や防衛施設庁官製談合事件では天下りした人の個人的な力でできるものではなく、組織ぐるみで官製談合が行われていました。
吉井氏はこうした実態をあげて、「政府案では二年間の迂回もいらなくなる。個人の働きかけを禁止しても組織ぐるみの談合に効果はない。天下りを禁止から自由にして全体の奉仕者として行政の公正・中立は維持できない」とのべました。
渡辺担当相が「働きかけを規制するから不正は起こらない」と繰り返したのに対して吉井氏は、公正取引委員会の官僚が天下った「はちみつ公正取引協議会」の景品表示法違反事件をあげて「働きかけがなくても公務の公正な運営をゆがめることになることは明らかだ」と指摘しました。
塩崎恭久官房長官は、「哲学的な転換をする」と天下り自由化に転換することを認め、「官民人材交流で活性化することが大事」と答えました。
吉井氏は「天下りを禁止することこそ必要だ。政府案はあべこべの方向にもっていくものだ」と批判しました。