2007年6月8日(金)「しんぶん赤旗」
温暖化ガス
削減起点で首脳不一致
EUは90年比 日本は現状比
【ハイリゲンダム(ドイツ北東部)=中村美弥子】日本の安倍晋三首相と欧州連合(EU)議長国ドイツのメルケル首相、欧州委員会のバローゾ委員長は五日夕、日・EU定期首脳協議をベルリンで開きました。二〇五〇年までに温室効果ガスの排出量を少なくとも50%削減するとの長期目標で一致しましたが、起点をめぐっては両者の違いが浮き彫りになりました。
発表された共同プレス声明は、温室効果ガスの排出量を「二○五○年までに半減またはそれ以上削減するための長期的目標策定が必要との考えで一致した」と述べています。さらに、国連の枠組みで削減目標が実行されるべきだとの点で一致しました。
ドイツを含むEUは、排出量を一九九〇年比で半減するとの目標を掲げています。しかし、日本は「現状比」で半減する案を提示。声明には起点時期が盛り込まれませんでした。
メルケル首相は協議後の共同記者会見で、「大まかなところでは(日本とEU)双方は目標が必要だとの点で合意している」と発言。安倍首相は、「数値目標だけに目を向けるのでなく、具体的成果を上げるため世界が理解し合って共通目標に進むことが大切だ」と述べました。
首脳協議では、北朝鮮の核問題についても話し合われました。安倍首相は「北朝鮮が非核化に向けた具体的行動を取るよう圧力を強化することが重要」と指摘。EU側は、北朝鮮が六カ国協議で合意した初期段階措置を履行していないことに「深刻な懸念」を表明しました。
■関連キーワード