2007年6月9日(土)「しんぶん赤旗」
自衛隊の国民監視活動
地方紙社説がいっせい批判
市民を見張ってどうする
「市民を見張ってどうする」(新潟日報)、「矛先の向かう先が違う」(琉球新報)―全国の地方紙は八日、日本共産党の志位和夫委員長が告発した自衛隊の「情報保全隊」による違憲・違法な国民監視活動に対し、いっせいに批判の社説をかかげました。多くの地方紙がそろって社説で批判するのは異例なことで、問題の重大さを示しています。
社説を掲げたのは、北海道新聞、河北新報、新潟日報、東京新聞(中日新聞、北陸中日新聞)、信濃毎日新聞、神戸新聞、中国新聞、高知新聞、西日本新聞、沖縄タイムス、琉球新報など。北から南まで、日本中のおもだった地方紙です。
その中身も、「憲法が保障する集会・結社の自由や表現の自由、プライバシー権を脅かす許しがたい行為だ」(「道新」)、「実力組織の自衛隊は政治的中立を厳守すべきであり、特定の人物や団体を色眼鏡で監視すれば立場や権限の逸脱につながる」(「東京」)ときびしいものです。
「太平洋戦争を経験した世代は、戦争遂行の邪魔になる言論や活動を弾圧した『憲兵』や『特高警察』という言葉を思い浮かべたかもしれない」(西日本新聞)、「市民からは『戦前の特高警察の復活を思わせる』『戦前回帰に身震いする』などの声が上がっている」(琉球新報)と、暗黒政治の復活を指摘するものもあります。
久間章生防衛相や塩崎恭久官房長官が「自衛隊として当然の活動だ」と開き直っていることにたいしても、地方紙の社説は「ことの重大さが分かっていないのではないか」(「道新」)と批判します。
神戸新聞は、医療費や年金にかかわる運動、春闘までが調査対象だったことをあげ、「暮らしにかかわる国民の活動も、広く『監視』していたと受け止められても仕方がない」と指弾します。