2007年6月10日(日)「しんぶん赤旗」
自衛隊の国民監視
“人権の配慮欠如”
防衛相の開き直り 地方紙が批判
陸上自衛隊情報保全隊による国民監視問題で、久間章生防衛相らが「情報を収集して分析することは悪いことではない」と開き直っていることについて、地方紙の社説は「自衛隊 市民の自由を尊重せよ」(東京新聞八日付社説)など、きびしい批判をしています。
沖縄タイムス(八日付社説)は「この人権感覚は問題だ」と指摘。「自衛隊の調査・情報収集に何の限定も加えない発言はおかしい。『自衛』の名目であれば何をしても許されるというわけでもあるまい」と書いています。
このほか、「久間章生防衛相の説明は、表現の自由や人権に対する配慮が欠如している」(東京新聞)、「集会、結社など一切の表現の自由の保障と検閲の禁止を明記した憲法二一条に背く行為ではないと言い切れるのか。大いに疑問がある」(中国新聞)、「(防衛相らは)ことの重大さが分かっていないのではないか」(北海道新聞)などそろって批判しています。
また、違法な写真撮影を、久間防衛相が「マスコミも撮っている」と説明していることについても、各紙とも厳しい論調です。「マスコミの取材と自衛隊の監視を同列に並べる感覚も、いかがなものか」(琉球新報)、「久間防衛相らは『何が問題なのか』と言わんばかりだ。国民を疑いのまなざしで見る組織を、国民が信頼するとは思えない」(高知新聞)、「一連の監視活動は憲法はもちろん、自衛隊法にも抵触する疑いが濃い」(新潟日報)などと指摘。
信濃毎日新聞は「防衛相は部隊の行きすぎた活動をまずストップさせ、実態を把握し、国民に分かりやすく説明すべきだ」と求めています。