2007年6月10日(日)「しんぶん赤旗」
公明新聞特集の欺まん
「消えた年金」 消した発言
「消えた年金」問題への世論の怒りが広がるなか公明新聞(一日付)は「年金記録問題について」という特集を組み弁解に必死です。
このなかで一九九六年の参院本会議で同党の山本保議員が、基礎年金番号導入について「多くの国民は、大丈夫かと心配しておられます」と指摘し、当時の菅直人厚生大臣が「徹底した対策を講じ、万全を期してまいりたい」と答弁した、と紹介しています。
一見すると、いま問題になっている「消えた年金記録」をめぐるやりとりのように読めますが、実際は違います。同年五月三十日の国会議事録によれば、山本議員の質問はこうでした。
「(基礎年金番号の)制度にさまざまな利点があることは認めますが、多くの国民はプライバシーの保護は大丈夫かと心配しておられます」
菅氏の答弁も「プライバシー保護」の重要性についての対策でした。
議事録から、わざわざ「プライバシー」のくだりを削除したのは、公明党が、基礎年金番号の記録漏れ問題を早くから追及していたかのように描きたかったのでしょうが、事実はそう都合よくは変えられません。(宮)
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