2007年6月10日(日)「しんぶん赤旗」
イラク北・南部
爆弾テロ 35人死亡
中部では襲撃事件で15人
【カイロ=松本眞志】イラクの北部と南部で八日、それぞれで複数の爆弾テロが発生し、少なくとも三十五人が死亡し、五十四人が負傷しました。また中部では警察幹部宅が襲撃され十五人が死亡しました。
イラク南部バスラ州のクルナでは、ミニバスの内部に置かれた爆弾と、市場で自動車を使った爆弾によるテロで十六人が死亡し、三十二人が負傷しました。死傷者には多数の子どもや女性が含まれているといわれます。
北部のタミン州ドクークでの爆弾テロでは、十九人が死亡し、二十二人が負傷しました。爆発はイスラム教シーア派モスク(礼拝所)の内と外で同時に発生。キルクーク総合病院に勤務するマフムード医師は、負傷者のうち十一人が重態だと語っています。ドクークにはシーア派の少数民族トルクメン人が多数居住しているとされます。
中部のディヤラ州のバクバでも、武装グループが現地の警察幹部宅を襲撃する事件が起き、妻と兄弟二人、警護員十二人が殺害され、複数の子どもが拉致されました。ディヤラ州はスンニ、シーア両派、クルド人が混在する地域で、米軍の武装集団の「掃討」作戦の影響でバグダッドに次いで治安が最も悪化している州だといわれています。
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