2007年6月12日(火)「しんぶん赤旗」
サミット
地球温暖化対策 実効性に課題残した
市田書記局長が会見
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日本共産党の市田忠義書記局長は十一日、国会内で記者会見し、ハイリゲンダムで開かれた主要八カ国首脳会議(G8サミット、六―八日)でテーマになった地球温暖化対策について、党の立場を述べました。
市田氏は、首脳宣言で、二〇一三年以降の「ポスト京都議定書」の温室効果ガス削減に向けて、米国を含む主要排出国が国連の議論で〇九年までに合意をめざすことで一致したことについて、「一つの前進だ」と評価しました。
そのうえで、米国が数値目標を拒否したために、五〇年までの温室効果ガス半減について「真剣に検討」するにとどまり、いつから半減するのかの基準年も明記されなかったことを指摘し、「実効性に大きな課題を残した」と述べました。
また市田氏は、安倍晋三首相が発表した「美しい星50」について、世界全体の排出量を五〇年までに半減する基準年を、すでに京都議定書の基準年(一九九〇年)比で排出量が大幅に増加している「現状」を基点にしていることを指摘。さらに「柔軟かつ多様性のある枠組み」として、各国別の排出総量の削減を義務付けた京都議定書の枠組みも否定するものになっていることを述べ、「こうした提案の背後には、『自主努力による削減』を主張している日本経団連や経産省などの意向が色濃くあらわれている」と批判しました。
安倍首相が個人・家庭の努力ばかりを呼びかけていることに対し、肝心なのは日本全体の排出量の八割を占める産業・公共分野だと指摘。「産業分野の削減対策が、達成できなくても何の責任も問われない日本経団連の『自主行動計画』にまかされている」と批判し、欧州で行われているような産業界と政府との協定など、産業界に責任を果たさせる措置をとらない限り、「問題の解決にならない」と強調しました。
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