2007年6月12日(火)「しんぶん赤旗」

特養待機者80人死亡

金沢市 半年で 家族会の求めで発表


 金沢市で特別養護老人ホーム入居の順番待ちをしている待機者が半年で八十人も死亡していたことがわかりました。十日、石川県野々市町で開かれた特別養護老人ホーム入居待機者家族会(林亀雄会長)の第六回総会で明らかにされたもの。

 昨年二月、同家族会が金沢市に特養ホーム建設等の要望書を提出した際、同市担当者が「順番がきても、入居を取り下げる方がいると聞いている」と発言。“入居しなくてもいいのに、申し込んでいる”と言わんばかりの発言に家族会メンバーは、「深刻な実態を知らない」と反発し、実態調査を要求しました。

 金沢市は実態を調査し、公表しました。

 それによると、二〇〇六年六月から十一月までの六カ月間に入居申し込み者の「辞退」が二百八人いました。性別は男性七十六人、女性百三十二人、平均年齢八十六・一歳。

 辞退の理由は「死亡」が最も多く、八十人(38・46%)でした。

 金沢市の特養ホーム「やすらぎホーム」職員の山口修治さんは「“順番がきました”と連絡した人だけで八十人ですから、全体の待機者約千人でいえば二百人ぐらい亡くなっているのではないか」と語っています。

 林会長は「金沢市で約千人、石川県で約三千五百人、全国で約三十五万人の待機者がいる。待機の状態はいぜんとして改善されていない。改善するためには特養ホームを増やしてもらうことが一番大事」と訴えています。



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