2007年6月13日(水)「しんぶん赤旗」
総務相
脱法的番組チェック
吉井議員 日常化の実態を追及
放送への政府の介入を盛り込んだ放送法改定案が国会で審議されるなか、総務相による脱法的な“番組チェック”が日常化している実態が明らかになりました。十二日の衆院総務委員会で、日本共産党の吉井英勝議員が取り上げたものです。
過去五年間、電波法八一条に基づいて、総務相が放送局に対して「報告」を求めた事例は、関西テレビの「あるある大事典」番組ねつ造(二〇〇七年一月)など五件。その後、総務省はそれぞれに「厳重注意」などの行政指導を行っています。
他にも、放送法三条の二(事実を曲げない)や同三条の三(自社の番組基準)に違反したとして、総務相が行政指導を行ったのは二十三件にのぼります。吉井議員の質問にたいして総務省は、いずれも「放送内容について事業者から報告を受けて指導を行った」ことを認めました。
吉井議員は、電波法八一条は、混信を起こすなど放送局の技術的能力に問題がある場合に報告を求めるものであることを示し、「電波法八一条を根拠に報告や調査を行うのは筋違い」と批判しました。
放送法五三条の八に資料請求の条項があるのにもかかわらず使えなかったのは、「この条項自体が、政府が放送に不当な干渉をすることができないよう規定してあるからだ」と指摘。これまで総務省が放送局に行ってきた脱法的チェックの記録を提出するよう求めました。
また、吉井議員は国会議員の要求で総務省が番組のチェックをしているとマスコミが報じた問題をただしました。総務省は「議員であっても一般視聴者であっても話を聞く」と事実上、政治家の求めでもチェックしていることを認めました。