2007年6月14日(木)「しんぶん赤旗」
ツアーバス過労運転
吉井議員追及 半数の事業者が違反
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業界に法令違反が横行している―。日本共産党の吉井英勝議員は十三日の衆院内閣委員会で、大阪・吹田市でのスキーツアーバス衝突事故(二月)を受けて、国土交通省が実施した貸し切りバス事業者に対する監査の結果を取り上げました。
監査結果によると、法令違反状況の割合が全体(三百十六事業者)平均で約65%であったのに対し、高速道路や深夜に長距離を走るツアーバス事業者に限ると81%(六十八社)。特に道路交通法第六十六条(過労防止義務)違反では、全体平均が約29%なのに対し、ツアーバス事業者は半数近くの約48%(四十社)になっています。
吉井氏は、吹田市での事故原因に乗務員の過密・重労働があげられていることからも「過労運転を知っていて強制した企業の責任が調査結果ではっきりと裏づけられた」と指摘。事業者の全国一斉調査を行うよう求めました。国交省自動車交通局の桝野龍二次長は、「監査処分を厳格化していく。ツアーバス事業者数を省令改正できちんと把握する」と答えました。
吉井氏は、事故の背景として、二〇〇〇年から進められた事業参入への規制緩和で業者間の過当競争が激しくなっている問題を指摘し、規制緩和策をあらためるべきだと追及しました。
溝手顕正国家公安委員長は、「自由化によって過当競争を招き、過労事故を含んだ重大事故に直結したことは、大いに反省の余地がある」とのべました。